B.D.A(Bad Dream Againe) GM:武田さん

新作BTL*1を巡る物語。
今回、シアトルの影を走ることになるランナーは以下の4名。

"カウチポテト"

 Metatype:人間 Sex:♀ Age:20 PL:いわなみさん
ティーンエイジのころはエッジをひた走っていたが、20を越えて力の衰えを感じているテクノマンサー。
免疫機構が弱いため、ゴーグルやマスクが手放せない。

"サルカ"

 Metatype:人間 Sex:♂ Age:28 PL:SIN_Snake
強力なサイバーウェアも魔法もマトリックスも持たないが、持ち前の度胸と強運で裏社会を渡り歩く黒人のフェイス。
喉に仕込んだサイバーウェアで声色を変えるため、九官鳥(サルカ)の名で通っている。

ディック

 Metatype:トロール Sex:♂ Age:23 PL:ruwindさん
気が弱く、他人の命に従うままの人生を歩んでいたが、トーテムの導きで魔法に目覚め、自立しつつあるストリート・シャーマン。
でもトーテムは鼠だったので、気の弱さには磨きがかかった。荒事が始まると真っ先に逃走を考えるw

アーノルド・ウェスト

 Metatype:オーク Sex:♂ Age:27 PL:GARGILLさん
かつてBTL中毒で身を滅ぼしかけたが、更正プログラムでまっとうなギャング(?)に。だが、未だにBTLと完全に手が切れたわけではない。
腕っ節の強さとタフさは、並の人間をはるかに凌ぐ。


今回はコンバットゲームではなく、シティアドベンチャー重視ですから、カウチポテトを除けばみんなイニシアティブパス*2が1だよ!
2ndの後遺症から来る「イニシアティブ低い=無能」という幻影を振り払いつつスタート。


今回は妄言銃(id:Kurono42:20060610)を見習って、長めのレポートに挑戦しよう。
続きはポチポチ更新していくよ。

Case 1

ざわつく都市精霊に起こされ、夜のストリートを徘徊してたディックに、曲がり角から飛び出してきた男がぶつかってきた。
男はひどく焦ったそぶりで、ディックにシガレットケースほどの包みを押しつけると、
「ケースをダウンタウンのアーノルドというオークに届けてほしい」
「礼は必ずする」
とだけ告げ、ディックが断る隙すら見せず脱兎の如く路地裏へ消える。
ディックがあっけにとられていると、男と入れ替わるように、どう見てもスジ者のトロールが2人フレームイン。トラブルの予感だ。
トロールたちに男の行方を尋ねられたディックはとっさにでたらめな方向を指すが、GMはここでCon/詐欺の判定を要求。Charisma/魅力に乏しい*3ディックにどうしろとw
案の定、しょっぱなからクリティカルグリッチ*4するディック。挙動の怪しいディックに、トロールたちは遠慮なく猜疑の視線を投げかけたが、EDGE*5を使ってなんとか1個成功。トロールたちはこのビビり癖のあるスクワッターを相手にするより、2手に分かれた方がてっとり早いという判断を下した。

Case 2

薄汚いトロールの持ってきたケースを前に、アーノルドは昔を思い出していた。
ケースの中にはBTLらしきチップと、1枚の走り書きのメモ。ジャック・マギャフリーは、かつてBTL依存症回復プログラムで世話になったセラピストの名前だ。
「チップにはBTLのマザーデータが入っている」
「これを捌いて金に換えて欲しい」
「金の半分は好きにしていいが、残り半分は指定の口座に振り込んでくれ」
正直、BTLとは距離をおいて暮らしていたいが、かつての恩人の頼みならやむを得ない。それに、家の入口で礼を待っているトロールに払う金も必要だ。
外でダンボールを集めて寝床を作り始めたディックを横目に、チップのプロテクトを解除するため、アーノルドはハッカーの手配を始めた。

Case 3

カウチポテトは、持ち込まれたチップのプロテクトを文字通り一瞥しただけでクリアした。
デッキもプログラムもジャックもいらない。なぜなら、彼女がテクノマンサーだからだ。
プロテクトはオモチャ並だったが、中に格納されたBTLのマザーデータはかなり興味をそそる代物だ。スマートな造りは、かつての相棒を連想させた。アリオーシュ。

Case 4

長身を天然革のソファに押し込みながら、サルカは目の前のクライアントにうんざりしていた。
「おまえのビズは完璧だ。だがついでに伝言を頼まれてくれるとさらに完璧だ」
お世辞ひとつで雑用を押しつけられるとは、安く見られたものだ。マフィアボス・ジェイコブは、どうやらサルカのことを部下かなにかと勘違いしているらしい。
伝言だけ、という言質を取ると、サルカはとっととジェイコブの事務所を後にした。あのデブとは、そろそろ手を切ってもいい頃合だ。

合流

マザーチップの解析が終ったアーノルド&ディックが自宅に帰ると、アパートの前にこの界隈にふさわしからぬリムジンが止まっている。
2人が近づくと、音もなくスモークウィンドウが開き、黒人の男が現れた。
「Mr.アーノルド? ジェイコブからの伝言だ」
「(急にダミ声になって)ジャック・マギャフリーは夜の海水浴に出かけた。今チップを返せば、半殺しで済ませてやる」
「(声を戻し)……だそうだ。何をしでかしたのかは知らんが、まあ上手く立ち回りな。」
ボイスモジュレーターを演出に使い、「今日もいい仕事をした!」と得意げに退場しようとするサルカ(ていうか俺)を、あわてて引き留めるアーノルド。
「あんたサルカだろ。ジェイコブの子飼いってワケじゃないんだよな? いい儲け話があるんだが」
などと茶番を打ちつつ合流をはかる。
SHADOWRUNで個別導入。 これが21世紀ですよ!


チャイニーズレストランに集まり、テーブルの上に乗ったチップを前に状況を整頓する4名。
マザーチップをうまく捌ければ20万N\*6くらいになると聞き、目の色を変えて情報を集め始める。
・BLTチップはジェイコブが出資し、アリオーシュが製作した。
・ジェイコブはこれにかなりの資金を投入した。
・チップの取引相手として、ロシアンマフィアがシアトル入りしている。
・ジェイコブの出納係・ジャックがボスを裏切り、チップ持ち出した。
・ジャックにはBTL中毒更生中の娘がいる。
・ていうかこのチップ、アストラル知覚で見るとなんか虫がわいててキモいんですけど。
「んじゃまあ、アリオーシュにチップの詳細聞いて、露助の連中と取引すっか!」
と一同の方針が決まったところ、ブレーキの音も高らかにゴツいバンがレストランの前にポップアップ。

襲撃

バンの中から現れたのは、ディックが会ったトロール2名、ジェイコブの用心棒たちだ。
2人は肩にアサルトキャノンを担ぎ、ランナーたちを始末したいのか、レストランを解体したいのか、あるいはその両方なのか、って勢いで攻撃してくる。
正直アサルトキャノンは相手にしたくないので、4名はダッシュで逃げ出した。
ここからTRS*7に突入。
陽動>運動>運転>隠密の4ステップなのだが、「口プロレス次第で判定スキルを変更できるよ」のGMの一言で、自分の土俵で判定すべく一斉にとんちを効かせ始めるランナーたち。
結果、アーノルドが威嚇発砲で陽動している隙に、ディックは完全透明化の呪文で姿を消し、サルカはトロールたちが入れないバーに逃げ込み、カウチポテトGPSにダミー信号をかませる。
さらに、安全圏に逃げたサルカがジェイコブの声色でトロールたちのコムリンクにコール、足止めしているうちにアーノルドも夜闇に消えた。

Bad Dream Againe

ロシアンマフィアとチップ取引の確約を取り付けた4人は、念のためチップの詳細を確認しようとアリオーシュの元を訪れる。
アリオーシュのアトリエがあるマンションにはジェイコブの手下が張り込んでいたが、ディックの完全透明化で楽々侵入するランナーたち。
アトリエに踏み入った4人は、室内にはびこる蜘蛛の巣を見て仰天。
さらに、椅子に腰掛けているアリオーシュが昆虫っぽい面をしていて2度仰天。
どうやらアリオーシュさん、昆虫精霊*8の手下になっていて、BTLを利用して蟲仲間をギチギチ増やそうとしていたみたい。
とりあえず(宣言だけで)アリオーシュの頭に風穴を開けた4人は、マザーチップをアストラル的にクリーニングすることに。
解析のためにはチップを人体で走らせなきゃならないのですが、BTLって中毒になったりするんだよね。
しかもこのチップ、相当なヤバモンだし。
ディックとカウチはアストラルとマトリクスの解析のため手が開けられない。
じゃあサルカかアーノルドじゃん? でもアーノルドはScorched*9持ちだし……
どちらが実験台になるか一瞬モメ始めるも、結局チップ解体TRSの「PC4(アーノルド)は判定に+2」の記述が効いて、アーノルドがチップを走らせることに。
久しぶりのBTLの快楽に耐えているアーノルドを横目に、アストラル、マトリクスの両方でクリーニングが進められていく。サルカは横で応援*10
このシチュエーション、ニルヴァーナのクライマックスっぽくてかっこよくなくなくなくなくないですか?

Show Time

完成したチップを持って、意気揚々と取引現場の倉庫に向かう4人。
現場には、いかにもエッセンス低そうな男を2人率いた、マフィアの幹部が待っていた。
クライマックスだし荒事あるよなあ、と警戒した一同は、いざというときに遮蔽となる車をどこに止めるかで相談タイムに突入する。
「外に出しとくとジェイコブの部下に見つかるかも」
「壁際に駐めときゃわかんねえよ」
「ていうか倉庫の中に入れればいいんじゃね?」
「壁よりちょっと離して間に人のはいる隙間を作ろう」
かくしてミツビシ・ナイトスカイは、マフィアの目の前でウィンカーをチカチカさせながら、前進と後退を繰り返す不審車輌になったりした。
駐車場所も決まり、さっそくブツを交換しようぜ、と車から降りると、建物を囲むように3台の車が急停車。
幹部の男はにこにこしながら、この取引はジェイコブ氏にアンフェアであること、ランナーの本場・シアトルのショウを見たいこと、取引の情報をリークしたこと、この争いに生き残った方と取り引きすること、を宣言した。
この露助野郎、てめえもショウに参加させてやろうかと一瞬思ったが、ここでサムライ*2体を敵チームに追加すると生存もおぼつかなさそうなので、思うだけにした。


さて、気を取り直して敵の戦力を確認すると……
・1)斧を持ったトロール
・2)ライトマシンガンを持ったトロール
・3)ライトマシンガンが生えたドローン
・4)ちんぴら*3人
の計6人。とくに2)と3)が危険なので、そちらに攻撃を集中することに。
カウチポテトがドローンをハッキングTRSで攻略しているうちに、サルカ、アーノルド、ディックがトロールを一斉攻撃。

肩にでっかいアサルトライフルを背負って歩いているやつを見るたび思う
バカがとな
私はソロですどうか撃って下さいと
ネオンのホロサインを掲げているも同然ではないか
――モーガン・ブラックハンド

かくして、でっかいLMGを持ったトロールは空に向かって弾を一通り撃つと動かなくなった。
一番の脅威を排除し、一同の間には楽勝のムードが漂い始める。
しかし、敵もその隙を逃すはずはない。
斧を担いだトロールが全力ダッシュしてアーノルドに肉厚の刃を叩き込むと、アーノルドの負傷ゲージは一気に半分以上がチェックされることとなった。
4thに標準実装されている近接攻撃オプション、チャージ*11の威力である。
ドローンはLMGでこちらの遮蔽を破壊するためフルオート、ちんぴら共は移動して1ターンが終了。


2ターン目、カウチポテトはドローンの防壁を確実に攻略していく。
サルカはここがキメ時と、遮蔽から飛び出し*12EDGE全開。至近距離からアレスプレデターwith炸裂弾で攻撃した。
ドジャー、と17個のダイスが互いに衝突しながらテーブルの上を転がったが、5以上の目を出したダイスは1つもなかった*13
アーノルドも斧を構えて応戦するも、負傷が響いて防戦一方。ディックは呪文で斧トロールの体力を着実に削る。


以降、サルカは雑魚掃討にシフトして着実に戦果をあげ、アーノルドが防御を固めて攻撃を引きつけ、ディックが呪文で斧トロールを撃沈、カウチポテトがドローンの支配権を奪ったところで決着。

解散

いろいろあったものの無事取引は終わり、24万N\*14をゲットした4人。
半分の12万を亡きジャックの娘の口座に振り込み、残りを3万づつ分配することに。
サルカは『口座に振り込むのは10万にして俺たちの分け前を増やそうぜ』と主張するも、アーノルドはジャックとの約束*15を頑なに守ろうとする。
一瞬、懐のプレデターの重みを意識したサルカであったが、一晩で3万N\なら上出来かと思い直し、パーティー分裂の危機を回避することにした。


かくして4人のランナーは大金を手にし、あるものはほとぼりが冷めるまで高飛びし、あるものはいつもの生活へと戻っていきましたとさ。




慣れないせいか、長いレポートって大変だな!
書き終わるまでに1ヶ月半もかかっちゃったよ!

*1:電脳麻薬。俗称ビートル

*2:1ラウンドの行動回数。N◎VAで言うところのアクションランク

*3:魔法使いだから平均以上にはしてるんだけど、トロールですから

*4:Critical Glitch。いわゆるファンブル

*5:エッジ。消費すると判定を振り直したりできる

*6:1N\=100円くらい。つまり2000万エン

*7:ガンドッグのアレ

*8:話すと長くなるが、人に仇成す精霊だと思いねぇ。Earthdawn/アースドーンのホラーの眷属

*9:不利な特質。ブラックICやBTLに弱くなる

*10:チームワーク判定でアーノルドのダイスを増やす

*11:突撃。長距離を移動してアタックすると、攻撃にボーナスが与えられる。ほかにも相手からの反撃がなくなったり、4thでは近接攻撃やや強化されてるっぽい

*12:4thでは遮蔽を取ると攻撃に少しペナルティが入る

*13:ちなみに17DでNoHitの確率は0.085%程度(´・ω・`)

*14:交渉でちょっぴり値上げした

*15:半分を口座に振り込む